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[二〇一六年十月十七日]
速加熱半田鏝を、買ってみた

昔の速熱式の半田鏝を、ヤフオクで見掛けたので、懐かしさもあって思わず買ってみた。(¥900送料込み)
“照明ランプは点くが、加熱しない”という不良化品だったが、「鏝の先端」をしっかり捻じ込んだら、正常に使えるようになった!

この半田鏝、先端が太過ぎるのと、重くて長時間は保持し辛い。(図1)
流石(!?)、トランス屋さん(TABUCHI ELECTRIC CO.)の製品だ!と納得した。(図2<クリック> 苦笑)
外出・出張先で、修理作業をする場合などの「業務用」には、向いているだろうと思う。

だが、当苑の場合、この十数秒ほどの瞬間加熱性は、電気代や作業時間を考えても、それ程のメリットにはならないだろう。(やはり、“飾り物”か“お蔵入り品”かだな。苦笑)

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不良化の原因

元々、これを買った理由のひとつには、懐かしさもあったが、それに加え、「故障の原因」に好奇心を持ったからだ。
速熱式の半田鏝は、数Aの大電流を流すので構造は至極簡単なはず。
故障になる原因は、ヒューズが入っていればそれの断線か?降圧トランスの層間ショートか?加熱端子の断線・不具合か?辺りを考えた。
だが、“照明用の豆ランプは点灯している”というから、降圧トランスではなさそうな感じがした。・・・兎に角、それを調べたくて買ったようなものだ。(物好きなのは、止まらない。苦笑)

で、手元に来てから、一度分解してみたが、(単純構成の)内部には“不良化の原因”は見当たらず。
改めて、先端部を見ると、どうも発熱箇所は「芯の先端」と「外皮の内側」の接触部ではないかと予想出来た。(図3)
そこで、電工ペンチで「外皮」をきつく締め込んでみた。(図4<クリック>
・・・(約十秒)・・・やった!発熱してるぜ!

現用鏝との先端比較

...しかし、この加熱先端部は、太過ぎて使い難い!)
今様のプリント基板の半田付けなどには、不適だ。(図6<クリック>
(そりゃまぁそうだ!昔の大きな電気部品の半田付けしか想定していないもんな)

先端を無理に削って、細くしてまで使うのも無駄だろう。
「外皮」の内側の構造にも依るが、削り過ぎると薄くなって、“半田溶融最適温度”を越えてしまう可能性もあるし、また穴でも開いてしまうと使い物にならなくなる。

交換部品だって、容易には手に入らないだろうから、これを使うとしても、このままで使える場面で使おう!

ただ、現用として、快適に使える細身の半田鏝2種があるので、これの出番はそれ程多くは無いだろうな。(図5の下2本)

重さの問題

試しに、これの質量(重量)を計ってみた。およそ、700gである。
スマホなどは、およそ130g前後らしいから、それに比べると結構な重さだ。
また、ジャンク・ノートPCなどは、2〜3Kg程ある。
まぁ、そんなものと比べたって、役には立たないが、単なる“目安!目安!”(笑)

常用している半田鏝は、ほとんど重さを感じない。(図8<クリック>
むしろ、気になるのはACコードの方で、時にはそれ邪魔になるから、これの無いタイプには魅力を感じる。
でも、「バッテリ駆動式」や「ガス燃焼式」などは、コスト・パフォーマンスの悪さを考えると、あまり使いたくもない。

今の常用半田鏝(図8<クリック>)で気に入っている点は、「押しボタン」でパワー/発熱量が約2倍に出来ることだ。
熱容量が大きい相手/対象でも、「押しボタン」を押して力めば、何とか半田を熔かすことが出来るのがいい♪

微細箇所用の良さ

重さ比較をしたついでに、「鏝先」について、現用品の評価をしておきたい。

先の細いセラミック・ヒーター型の半田鏝の方は、“表面実装部品用半田付け”に便利に使っている。
これはPC110用拡張メモリを加工・製作した時に、随分役に立った。
細い「先端部」に熱が集中するように作られているらしく、先端部の太い鏝よりもずっと加熱&溶融が速くて、使い易い。(図9)
これは新品で買って結構高価だったが、もう今はケースもボロボロだ。(図10<クリック>

今回の速加熱型(家電用)は、当然ながら、こうした微細加工用には向いていないのは明らかだ。(それらと比べるのは、可哀想か?)
要は、適材適所で使うのがベストだろうが、果たして、この家電用の鏝の出番は来るかな?


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