物事追及集 二〇一七年七月版
明けゆく天地 「七月三十日」
『明けゆく天地 伊奈熊蔵忠次覚書 松浦 節著 2006年9月 1刷 ¥1、900+税』 (購入¥108税込み)
「帯書き」には、こう書かれている。
[治水技術と農村経営によって(徳川幕府に)重用された初代関東郡代・伊奈熊蔵忠次の生き様を描いた長編]
この伊奈熊蔵忠次という人は、家康公に仕えた家臣の一人で、裏方=実務を担当し、元々は湿地帯で、利根川や荒川、平川の氾濫・洪水に悩まされていた土地=江戸を、多くの人達が住める場所に仕上げた人物の主だったひとりだそうな。
ただ、この物語は、それより以前の豊臣秀吉が、徳川家康等を使って関東の北条氏を攻める際、流量の多い富士川を、大勢の兵馬を渡河させるために、中堅指導者・技術者である伊奈熊蔵忠次が為した懸命な働きが、主に描かれている。
そうした実務・作業を織り込んであるので、迫力があって、なかなか面白かった!
この実直な仕事師の話を読みながら、“都民ファースト”などと謳いながら、築地市場、豊洲市場問題を、単に騒ぎ立てただけで、後処理の実務は、“全部やるのよ〜!でも、それらは全部、あんた達にお任せよ〜!”という(能天気な)小池東京都知事の仕事振りを思い浮かべていた。
まぁ、今時の組織は、“惰性”で動いているから、(真の)仕事や役割が出来なくても、その“惰性”に乗っかっていれば勝手に動いて行ってくれる時代らしいが。
...さて、ボロを出して辞任した蓮舫女史や稲田女史に続いて、小池女史がボロを出すのは何時かな?
科学者と考える 全対話 「七月十四日」
『科学者と考える 梅原猛 全対話 集英社編 1984年6月 1刷 ¥1、800+税』 (購入¥200税込み)
梅原氏の「仏教の勝利」を読んでいて、くどいほど(科学的で)実証的な追求の仕方が特長だと感じたが、この本『科学者と考える』を店頭で見付けて、“やはり、そうなんだな!”と思いながら買って来た。
読んでみると、色々参考になる話が多い。
私は、つい科学的な事実(や仮説)の方に気を取られがちになるのだが、科学の方だって、“領域外のこと”は分からないことだらけなので、そうした領域は、時には“哲学や文学の世界”に入り掛けてしまう。
梅原氏は、湯川博士のこんな言葉を引用されている。
『湯川さんがよくいってましたが、学問にはロマンチックな時代とアカデミックな時代があって、自分はちょうど世界的に物理学のロマンチックな時代に物理学をやった。それはアインシュタインの相対性理論が出て量子力学が出て、その一連の大きな流れの中で自分の仕事ができたことは大変に幸福である。ところが、もうそういうものが定着して、定説になってしまうとあまりやることがなくなってしまった。結局、非常にすぐれた計算機を使って、緻密な計算をするより仕方がない。それがアカデミックな時代だ。...』
この“ロマンチック”という言葉が、私には興味深く感じられた。
私が毎日、せっせとやっている愚にも就かない“ジャンク弄り”も、一種の(小人の)ロマンチックな夢追いだろうと思う。
しかし、今の世の中、“アカデミック”といっても、もうピンキリで、“戦争に反対だから、防衛省の発注する研究は、やらない、やらせない!”とかいう日本学術会議(執行部)の連中など、語るに落ちるキリの部類。尤も、彼等は最早、学者などではないという説もあるが。
“動画処理”本 「七月八日」
『はじめての動画処理プログラミング 土井 滋貴著 CQ出版社 2007年8月 2刷 ¥2、200+税』 (新本購入¥2、375税込み)
久し振りに、技術書の新本を買ってみたが、やはり失敗!(痛ッ!)
結論から言えば、私の期待した“複数台USBカメラのプログラミング”ではなくて、USBカメラ2台、IEEE1394カメラ2台の計4台の話でしかなかった。
それに、“多数台カメラでのトラブル”などに関する話・情報は皆無で、すべてちゃんと出来る話ばかり。(当然か!苦笑)
まぁ、すべきことを書くだけでも一杯あるのに、例えば“こんな処に気を付けよう!”などと書き足すのは、到底無理かもしれない。
そういう意味で、この新本は、私の期待には答えて貰えなかったわけで、“買い方失敗!”ということ。(アーモッタイナイ!)
「BOOK-OFF」も、もっとこんな類の本を、古本として扱ってくれないかなぁ?
(因みに、この本を「BOOK-OFF」へ持って行ったら、¥50買取だった!苦笑)
トンデモ科学の見破りかた 「七月四日」
『トンデモ科学の見破りかた ロバート・アーリック著 垂水 雄二、 阪本 芳久共訳 草思社 2004年4月 3刷 ¥1、700+税』 (購入¥200税込み)
この本は、理屈はなかなか難しいが、大変興味深いテーマ群について書かれてある。
今世の中に普及している常識的な科学的事項に関して、それに対する「異説/少数説」を“トンデモ科学”として検証しようというわけだ。
こんな「異説」が取上げられている。
*銃を普及させると犯罪率は?
*エイズの原因がHIVという嘘?
*紫外線は身体にいい?
*放射線も微量ならよい?
*太陽系には遠くにもう一つの太陽が?
*石油、石炭、天然ガスは生物起源ではない?
*未来・過去への時間旅行は可能?
*光より速い「粒子」は存在する?
*宇宙の始まりはビッグバンではない?
この中で、「石油・石炭・天然ガスが“生物起源”では無い」という説(天文学者 トーマス・ゴールド氏の説)を検証していて、この著者は「トンデモ度ゼロ」(つまり信用するに足る!)としているのは、大変興味深かった。
信用の理由として色々上げてあるが、例えば深い地層の石油ほど“生物由来”の成分が少ない/無いことや、発見されているメタンハイドレートの量は、想定される生物の堆積量をはるかに上回っているということなどで、現在は主流である“生物起源”を真っ向から否定している。
となると、石油や天然ガスは、地球上の至る所に存在し、枯渇することもない、と期待出来るだろう。
で、日本周辺海域も!?となるが、自前で大規模な投資と採掘をして(深層の)資源を掘り起こすのと、他国から安く買って賄うのと、どちらが経済的に有利か?を考えると、資源小国・日本としては悩む処ではある。(苦笑)
その他、紫外線や放射線の人体に対する影響に関して、科学的知見の極狭い部分だけで“話を誇大化する愚”にも触れている。
書籍類廃棄 「七月二日」
どうも、近頃は、老人性皮膚炎がなかなか納まらず、それに手を焼いている...いや、それで二の腕が焼かれている?!
その治療法を探してみると、一つに、「日頃の生活態度を、大きく改めれば良い(!?)」というのがあるらしい。
だが、“何を今更!”という気分も濃厚なので、現実にはそれも難しい。
まぁ、それでも現在の「雑物が散乱している室内環境」を少しでも整理すればいいのでは?と思い付いて、「(室内)環境整備一年計画」を立てる事にした。
(自民党の憲法改正の取り組みと同様で、何時まで経っても審議・検討中!かな?苦笑)
手っ取り早いのは、趣味・好みの範囲を狭めることで、出来れば1、2種の狭い領域に絞ってしまえば、部屋の中もかなり整理出来るだろうと思うのだがなぁ。
私は、別に“古い物”を何時までも、そのまま飾っておくという趣味は無い。
むしろ、それを“次の好奇心の対象物”に、材料として再利用出来ればいいがと思うだけ。
しかし、自分の“好奇心”というのは、結構厄介なモノで、(年甲斐も無く、)何時どちらにどのように広がり伸びるかは、自分でも読み切れていない。(苦笑)
でも、少しずつそれらを抑えるようして、一年懸かり(1年計画)で絞って行く努力をすることにしようと思う。
取り敢えず、今日明日は、不用品になると思えるものを少しずつ捨てて行くことにした。
その点で、旧い書籍類は分かり易い。“1年以上開いていない書籍・書類は捨てる!”と決めた!
そしたら、どっさりあった。(図1はその一部)
「BOOK-OFF」で引き取ってくれそうな本は、別にして、その他は(紙資源として)廃品回収に廻そう!
電気・電子部品(ハードウェア)類は、なかなか取捨選択が難しいのだが、やはり「1年間無使用−廃棄ルール」でやってみようかな?と思う。
(だけど、1年+1日後に、“あれは、また使えたのに!”と嘆かないとも限らないのだが...苦笑)